I−Pilotの装着

 夏以降 エンジンの力が弱くて何か対策が必要と感じ1ランクアップのエンジン換装を検討していましたが、下取り価格が安く、経済的に無理と判断してあきらめていました。 で、船速向上のため、とりあえず凸凹だった船底塗装を行うことにし、注文しに行った大谷マリーンさんで、手に取った冊子に自動ポイントキープのできるI−Pilotの冊子がありました。 
 同時期、釣友が入れ食いなのに、同じ場所を流してもポイントキープできずにまったく釣れなかったことがあり、ポイントキープを自動でできるI−Pilotの装備を検討することにしました。




4、バッテリーの設置状況と配線工事
 バッテリーは船室の前方に各々個別にバッテリーボックスへ収納し2個並べています。 ボックスに蓋をした上で固定し、上部に敷板を設置し、小物置場として使っていますのでバッテリーは見えません。


                     

ソーラーパネルとバッテリーの間にスイッチ(黒色)とヒューズボックス(白色、15Ah)を入れてあります。各々の組み合わせごとですから2系統見えます。 バッテリーを外して家で充電するときにショートさせないために切断スイッチを設置したものです。
 赤色のスイッチはバッテリーとエレキモーターをつなぐ回線の切断スイッチです。

                             

 ここからバウロッカー内に配線し、バウロッカー内に設置した60Ahブレーカーを介してモーターに電気を送ります。 エレキモーターは取り外して持ち帰りますので、トローリングモータープラグと呼ばれるソケットで線をつないでいます。これもバウロッカーの中でセットしますので水はかかりません。

                        
                 トローリングモータープラグ                            60Ahブレーカー         


全体の配線図は、下記の構成となりました。

                

1、モーターの機種選定
 船置き場の隣の方がエレキモーターを付けておられたので、突然電話をして、アドバイスを求めたところ、船型の違い等を考慮すると推力の強さが必要との助言を得て、80ポンド推力のものを選定することにしました。 後は、シャフトの長さの選定ですが、輸入元の岡田商事さんやY’sgearさんに電話をして聞いたところ、モーターが水面下30cm以上深くないといけないとのことですが、UF−21Cuddyに装着した事例がないとのことで、自分で船型図を探し、60インチのシャフト長で大丈夫だろうと判断しました。 その結果下記の形式となりました。

 RIPTIDE TERROVA 80/IP
  電圧24V 推力80Lbs スピードコントロール無段階 シャフト長60cm




5、エレキモーター本体の設置工事

 元々船首には3方ローラーがついていましたので、これを左舷寄りに移動させ、ここにエレキモーターを取り付けました。 船首からの乗り込みを確保するため左寄りに向きをセットしました。 船体とエレキモーターはクイックリリースマウントと呼ばれる部品で脱着するのですが、シャフトと船体の間に2cm以上距離を空ける必要がありますので、本体が前に張り出してしまいます。 このため、硬質ナイロンでベースを作成し、この上にクイックリリースマウントを取り付けました。 この構造で試運転したところ船全体が震えるほど大きな振動がでましたので、平坦性を確保するとともに、5mm厚のゴムマットを入れる工事をし直しました。
これにより、振動は収まりました。
余談ですが、これら工事をするために船首のエクスペンションハッチをあけたところ、これが劣化していることが分かりました。なぜかバウロッカーに水が入ってきていたのですが、これが原因でした。 新品の部品を取り寄せ取り付け、水の浸入も止まりました。

                         

                             


6、I−Pilotの機能
  I−Pilotは無線コントローラーにより操船しますが、GPSが搭載されており、セットされている自動操船機能は非常に便利なものです。

              

 1個の重量が26kgもあり、船が重くなるので、元々機関やアクセサリー用に装備していた2バッテリーシステムを1バッテリーとする改装を行いました。(後々速度低下があまりなかったので2バッテリーシステムに戻しました)  で、機関用のバッテリー1個(後々2個)は船体中央部の正規のバッテリールームに移し、エレキ用のバッテリー2個を船首側に置くことにしました。

2、電源関係の選定
 
電圧が24Vですから、12Vバッテリーを直列に2個つなぐ必要があります。また、深放電をしますのでディープバッテリーが必然となります。 で、メーカーお奨めのもので、大きな容量のものを選びました

 BOSCH ディープサイクルマリンバッテリー DCM−31
  Ah:100Ah(20hr CCA:650Ah)




3、ソーラーパネルの選定と設置

  バッテリーを持ち帰り充電してみましたが、あまりの重さに音を上げ、船の上下持ち運びで怪我をしては身も蓋もないとの理屈をつけて高価なソーラーパネルを購入することにし、大谷さんに頼んで配線系統の検討をしてもらいましたが、結局バッテリー各々にSP72が1枚必要なことが解り、12V仕様のものを2枚設置することになりました。
 
 SP72 2枚
  最大出力72W 最大動作電流6Ah サイズ855mm×546mm×1.5mm

  過充電防止機能付き

 
この大きさのものを船上に設置する場所がありません。 そこでオーニングをハードタイプにし、乗せることにしました。 で、オーニングのフレームはそのまま、1.5mm厚のベニヤ板をフレームにビス止め、上からFRPを上部2層、下部1層仕上げでハードタイプのオーニングを作成しました。 多少凹凸があったのですがソーラー自体が薄くて曲げられることもあり、きれいに仕上がりました。 盗難防止のためパネルの裏側全面に強力な接着剤を塗布し、貼り付けて再加工不能な状態としました。

                                  
                       ハードタイプのオーニンク゛             ソーラーパネル設置状況



これにより、1日あたり20AH程度の充電ができ、週一回程度の釣行ならば十分ソーラーパネルだけで充電可能と考えました。 実際、完成後の初釣行では3時間程度の使用に対し、満充電の状態を保持したままでしたので、大きな効果があったと思いました。

この大きなバッテリーを充電する方法としてYAMAHAでは、右図のシステムを推奨していますが、計画を詰めていくと課題が種々・・・。 

その@ 
 エンジンの発電機能を使って2個のバッテリーを同時に充電するために2バンクオルタネーターチャージャーを使うそうですが、輸入メーカーに問い合わせると、私の60馬力のエンジンは15Ahの発電能力しかなく、此のシステムに必要な20Ahを発生するには90馬力以上のエンジンに換装する必要があるとのことで、エンジンからの充電はあきらめることになりました。

そのA
 高性能なソーラーパネルから充電する方法。
1日の充電量が20Ah以上あれば、100Ahのバッテリーで週1回程度の釣行に耐えられる充電量が確保できるので、価格と大きさからSP72を選定しましたが、当初24V仕様のもの1枚でOKと考えていたのが、実はバッテリー1個に1枚必要なことが判明。 あまりにも高価なのと取り付け方や充電コントローラーの選定等に疑問があり、当面は設置しないこととし、バッテリーチャージャーにて、釣行ごとにバッテリーを持ち帰り充電することとしました。
この間に、I−Pilotの機能や効果を判断することもできますので、それからソーラーパネルの問題を考えることにしました。
 
 BOSCH コンパクト高性能バッテリー充電器 C7
  パルス充電、トリクル充電、回復モード、オーバーヒート防止、  自動停止等機能を有す

そのB
 エレキモーターに付属する電線ケーブルの長さが足りず、8スケの太さの延長ケーブル繋ぎました。
バウロッカー内で、プラグ接続するため取り込み穴にはフリーイングボートカバーを設置しました。