電気系統の艤装の変遷

第一回目は進水時のツインバッテリーシステムで、これはNobⅤ号から移設したものです。
配線計画図は次の通りです
                       
 
2個のバッテリーの切り替えスィッチと各々のバッテリーを同時に充電する充電アダプター並びに充電アダプターを使ったときに発生する不具合を解消するための切断スイッチは以下のものを使いました。
 
なお、本器は既に廃版になっています。(2018.12)
切断スイッチ2 
   
 
 上架時、メインバッテリーからサブバッテリーへの放電防止目的で設置。

上記システムにより、サブバッテリーは充電状態を維持するはずですが、サブバッテリーは使用電力量の多いGPSと魚探に繋がっていますので、念のため、ソーラーパネルをサブバッテリーに接続しました。
       
 

       
第二回目は、I-Pilot用のバッテリーを2基積むこととなったので、全体の重量増による速度低下を避けるために、シングルバッテリーシステムに変更しました。 
船舶関係の回路と釣り用のアクセサリー関係の回路を分け、元スイッチを分けて付けました。 
PANASONIC製の95D31Rを本来のバッテリールームに入れました。ーラーパネルはそのまま接続しています。
 
           

第三回目
はI-PILOT装着後の釣行で思った以上に速度低下が無かったので、改めてツィンバッテリーシステムに変更しました。
メインバッテリーとサブバッテリーを切り替える(両方使うこともできる)メインスイッチと、エンジンからの充電時に両バッテリーに分配するYDY15を復帰させ、合わせてYDY15を使用した時のメインバッテリーからサブバッテリーの放電防止のための切断スイッチを入れています。
配線図の右の写真で丸い上のスイッチがメインの切り替えスイッチです。 その下の丸いものが切断スイッチです。 メインスイッチの左の四角いものが分配器YDY15です。 切断スイッチの左のスイッチは釣り用アクセサリーの元スイッチです。 その上の黒く見えるものはサブバッテリーに接続したソーラーパネルBL432の逆流防止ダイオードです。
右から3枚目の写真はバッテリールームの様子です。 左がメインで船舶用バッテリー95D31R、右がアクセサリー用のサブで車用バッテリー105D31Rを使っています。 2018.10に両バッテリーとも船舶用カルシュームバッテリー85D31Rに乗せ換えました。
また、2018.11には航走時の船体の傾きを改善するためサブバッテリーをバッテリールームからその左の通路に移設しました(右から2枚目の写真)。 もちろん上部は被覆して通路として使っています(右の写真)。
     

第四回目
何か月も釣行しないでいると補充電機能のないメインバッテリーが放電してしまい、エンジンを起動できなくなることが解りました。 で、メインバッテリー補充電用のソーラーパネルを設置し、それによって生じる不具合への対応として、新たに設けたソーラーパネルの回路切断用にスイッチを設けました。 
  BL-103
 
 メインバッテリー補充電のためにソーラーパネルを設置した場合、上架時はメインバッテリーからサブバッテリーに分配器YDY-15を迂回して通電するのをさけるため、スイッチ(SW1)で回路を切断してい.るため問題がないのですが、海上に出た時はエンジンからの発電を両バッテリーにつなぐためSW1の回路を?ぎます。

 すると、新たに設けたソーラーパネル(BL103)の回路が2つのバッテリーにつながることやサブバッテリーに2つのソーラーパネルがつながることになるため、ソーラーパネルのコントローラーに不具合が発生する恐れが出てきました。
 
 不具合が発生するか否かは不明ですが、リスクを少なくする意味で、海上に出ている時はメインバッテリーにつないでいるソーラーパネル(BL103)の回路を切断することとし、新たにスイッチ(SW4)を設けました。 

 ソーラーパネル(BL103)は自己制御型のセルなので切断中にパネルに悪い影響がない事はメーカーに確認済みです。 

第五回目
は、横方向のバランス調整のためにサブバッテリーを通路側に移設した配線が雑然としてしていたので、これを整理するため、SW1の位置変更とメインバッテリー補充電用のスイッチを撤去する等の処理をしました。
    4回目の配線構造では、エンジン駆動中はSW1を?ぎますのでメインバッテリー用のソーラーパネルBL103が両バッテリーに接続されることやサブバッテリーにBL103とBL432の2つのソーラーパネルが繋がるため不具合が懸念されました。
で、メインバッテリー補充電用のスイッチを撤去した時に懸念されるこの点について調べてみると、並列接続でかつ逆流防止ダイオードが組み込まれていると特段の不具合は発生しないことが解りました。
但し、ソーラーの制御方式によっては最大電力を検知できないため所定の充電機能が期待できないとのことです。 
ソーラーパネルの設置は上架中の補充電を目的としており、上架中にはメインバッテリーからサブバッテリーへの放電防止を目的にSW1を切断しますので、独立した補充電回路が形成され両バッテリーとも正常な補充電ができるので、メインバッテリーの補充電回路のSW4スイッチを撤去しました。
 

 
第六回目の改造ですが、2019.1 主機に初期起動時にエンストする障害が発生しました。 その原因が電気系統のどこかに接触不良等があり、この電圧変動からエンジンの電子機器を保護するために設けられたシステムが働き、自動的にエンジンをストップさせているとYAMAHAのエンジニアは考えているようで、私も古い回路の更新をすることについては吝かでなかったのでツインバッテリーシステムの6回目の改装をしました。(回路の更新後、エンジンの不調は電気関係でなかったことが判明していますが・・・・・)
改装内容は大別して①メインスイッチの交換 ②エンジンとバッテリーを繫ぐ長い電線の交換 ③メインバッテリーはエンジン専用とし、アクセサリー類はすべてサブバッテリーに繫ぐ作業となります。
この改装により、エンジン用の電源はエンジン単独のものとなり、ケーブル線を太くしたことで抵抗値も小さくなりました。

メインスイッチ
許容電圧   :32VDC
連続許容電流:200Amp
瞬間最大許容電流:1500Amp
切り替え:1-OFF-2-BOTH
NobⅥのバッテリーはキャビンの中にあり、エンジンとの距離が2.5m離れています。 この間を繫ぐ電線の抵抗値を下げるため、新品の40sqのケーブルに交換しました。合わせて、メインスイッチを新品の左のものに換えました。

サブバッテリーとエンジンを繫ぐ回線を元々メインバッテリーとエンジンを繫いでいた38sqの線をリサイクルして太くし、抵抗値も小さくするため、充電アダプター回路の切断スイッチの位置をエンジン回路の外に変更しました。合わせてスイッチのサイズを小さく変更しました。

メインバッテリーに繫いでいたブレーカー経由の船舶航行用アクセサリーとビルジポンプ並びに電動リール用電源はアクセサリー用元スイッチを経由し、サブバッテリーに繫げました。また、 2019.3に新たに設けた燃料計の電源もこれに繫ぎました。 よって全てのアクセサリーはサブバッテリーが負担し、メインバッテリーはエンジン専用となりました。 緊急時にサブバッテリーを使ってエンジンを起動したり、メインバッテリーでアクセサリー類を稼働させる機能は保持しています。
  
切断スイッチ
許容電圧   :48VDC
連続許容電流:200Amp
瞬間最大許容電流:455Amp
切り替え:ON-OFF
アクセサリー用スイッチ
許容電圧   :48VDC
連続許容電流:300Amp
瞬間最大許容電流:1500Amp
切り替え:ON-OFF
バッテリーケーブルを太くしたので、右舷側の重量が重くなったので、傾き対策として、メインバッテリーもバッテリー室の左舷寄りにあるキャビン通路に移設しました。 バッテリーの移設により、ソーラーパネルの逆流防止装置も移し、スイッチパネルがすっきりしました。 アクセサリー用元スイッチの左に見えるのは、右舷スタンストアに設けたビルジポンプと電動リール取り出し口用のスイッチへの電源回路用のヒューズです。 浸水等の短絡事故からサブバッテリー等の機器を守る目的で設けました。 合わせて、バッテリーターミナルをマルチ型バッテリーターミナル(DML)に変えました。 普通ターミナルは鋳物製品のため表面処理をしないのですが、DMLシリーズは端子が接触する座面を研削加工をして確実な面接触を行うことにより、接触抵抗を低減させ電気の流れにロスを発生させないようにしたものだそうです。また、端子もボルトで1本ずつ確実に固定するため、緩みも少ないだろうと期待しています。 左写真のバッテリーに取り付けたものは電極が剥き出しになっていますが専用カバーにより露出電極は無くなります。  
   
                               
      拡大すると詳細が解ります  短絡防止のターミナルカバー    スイッチパネル     配電盤にはカバーを    マルチ型バッテリーターミナル  座面が研削され、電気抵抗が少ない

電気回路の7回目の改造
3月20日に船を出した時に魚群探知機の電源が入らず、どこかで断線しているのだろうと運転席裏のパネルを開けてチェックをしました。 パネル裏の配線は蜘蛛の巣状態で魚探本体から線をたどり、スイッチ版までの配線を引き出してチェックした結果、魚探本体のスイッチが塩で固着していたのをマリンガードで溶かして魚探は復活しましたが、あまりにもひどい蜘蛛の巣状態の配線を整理するため、スイッチ版を作り直し、手製の配電板をバスパーに交換することにしました。 
  船に装備していながら使っていなかったバスパーの再活用と新たに購入したバスパーを使って、船底を這って横方向に配線する下部バスバー接続グループと上部の運転席裏を横配線する上部バスバー接続グループに分けて蜘蛛の巣状の配線を整理しました。 

同時に穴だらけのスイッチ版を新しい板で作り直し交換しました。 

3個のスイッチと充電分配器並びに2個のバスパーの取り付け、機関配線、下部バスパーに入る前・後のリール用電源とブレーカーへの配線、下部バスパーから上部バスパーへの結線をすまし、スイッチ板を船体に取り付ける作業の後、上部バスパーに繫ぐ、魚探、GPS、無線機、ラジオのA電源、室内灯、燃料ゲージの結線をしました。これらの作業では、配線の長さを調整し、圧着端子を全て新品に交換しました。 また、前部電動リール用のスイッチもここに移動しました。 入れ替わりに室内灯のスイッチを以前前部電動リール用のスイッチを設置していた船内入口の右壁に移しました。 

ついでにバッテリーの設置方向も正常な方向にもどしました。 また、下記のとおり、後部右舷ストア内のスイッチ部もバスバー接続にし、表面に出ている端子をなくしました。
 

 

ビルジポンプと電動リール電源スイッチ(右舷スタンストアの様子)
NobⅤ号に設置していたビルジポンプも移設しました。
12V、10A/吐出量20L/分、揚程高1mの日立製のものです。
 
左から3枚目の写真で白い装置がビルジポンプ用のスィッチです。 (下に見える黒いヒューズスイッチは電動リール用のスイッチです。) これらの電源はスタンストア内のエンジンとメインバッテリーを繫ぐバスバー(左から4枚目の写真)から取り出していましたが、2019.1に行ったサブバッテリーにすべてのアクセサリー類を分担させる艤装の一環で、ビルジポンプ&電動リールへの配線を新たに別回線にしましたので、スイッチ版を新たに作りその一角で端子接続をするように改造しました。 この時 端子と端子の位置が近く、ストア内に収納している金属品に接触して短絡事故の可能性が予想されので、とりあえず端子上に被覆カバーを設けました(右から4枚目の写真)。 また、万一 ストア内に浸水事故があった時に、サブバッテリーに繋がるその他の機器類とバッテリーを短絡事故から守るため、アクセサリースイッチの出力側ビルジポンプ&電動リールラインに30Apヒューズを設置しました。(右端の写真)(2019.2)
電気回路の7回目の改修に伴い発生した材料を使い、後部右舷ストア内に設けたビルジポンプと電動リール2基の配電盤も改造しました。前述のとおり、右舷ストア内には金属製の船舶用品を収納しているため、配電盤の表に端子がでていると短絡事故が起こる可能性があります。 で、右から3枚目の写真ように表面に露出している端子をなくしました。 スイッチ版の裏側に、以前配電盤として使っていた部品を加工したお手製のバスバーを装備しました(右から2枚目の写真)。(2019.4) 
                 

最終的には下図のような配線となりました。
      
                                            





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